【プロスタイリスト直伝】カラフルなコーディネートで起こりがちな「色ズレ」を解消するテクニック

こんにちは、for*styleパーソナルスタイリストスクール(FPSS)代表講師の久野梨沙です。

ここでは、多くの方が悩む「おしゃれなコーディネートの作り方」について、FPSS入門講座で実際に行ったスタイリング添削の事例を通じてお伝えしていきます。

今回は「色ズレ」と「テイストズレ」を防ぐコツがテーマ。

コーデを組んでみたけど、なんかどこかチグハグ……
そう感じる時、とてもよくあるのが組み合わせたアイテム同士の色が調和していないケースと、テイストが合っていないケースです。

その改善方法がわかれば、漠然とした「なんか変?💦」という不安に悩まなくなりますよ!

では早速、生徒のAさんが考えたコーディネートを見てみましょう。

生徒さんの作成した「30代半ば女性の旅行コーディネート」

普段挑戦しない派手なマルチカラーを使い、カラフルなニットを選びました。
動きやすさを考えてパンツスタイルにし、倉敷デニムを合わせています。
楽しい気分が上がるカジュアルな配色を心がけ、歩きやすいスニーカーと雨対策のアウターを選びました。
大人っぽさも意識し、プレーンなアイテムも組み合わせています。足元は単色では物足りず、遊び心を出すためマルチカラーのスニーカーにしました。
でもちょっとニットとスニーカーの色が合っていないような……?
どうしてもスニーカーの青が浮いている気がして、アウターにも青を使ってレピテーションさせてみたんですが……
生徒
生徒
久野梨沙
久野梨沙
なるほど、いろいろ考えて組み立てていますね。では、このコーディネートをプロの目線で見ていきましょう。

カラーコーディネートの不和の原因を解明するには

まず、生徒さんも気にしていたトップスとスニーカーの色合わせについて見ていきましょうか。

ここで覚えておきたいのが、色には「色相」「明度」「彩度」という3つの要素があるということ。
一口に「色ズレ」と言っても、この要素の中のどれがズレているかわからないと、正しい手が打てないんです。

久野梨沙
久野梨沙
Aさんは、どれがズレていると思いました?

うーん……
明度かなと思ったんですけど…
スニーカーの方が色が暗いから合わないのかなって
生徒
生徒

惜しい!
確かにスニーカーの方が明度は暗いんですが、今回のケースでは、主に「色相」のずれが気になります。

明度が暗いアイテムが明るいアイテムよりも低い位置にある分には、人間は不自然さを感じないんです。
なぜなら、それは自然界の法則に則っているから。
太陽や照明は普通上から当たるので、高い位置にあるアイテムが明るく低い位置にあるアイテムが暗く見えるのは当然なんですね。

だから、ニットよりスニーカーが暗かったとしても、それは違和感を覚える原因にはならない。

この知識があれば、違和感の正体は「色相だ」と突き止めることができるんです。

ではどんな風にズレているかというと、トップスは全体的に黄味がかっていて、スニーカーは青味が強いんです。
例えば、ピンクを見てみると、トップスは黄色寄りの赤、スニーカーは紫寄りの赤になっています。
これが「色相のずれ」を生んでいるんですね。

久野梨沙
久野梨沙
パーソナルカラーの知識がある人向けには、トップスは「イエベ」の色で、スニーカーは「ブルベ」の色、といった方がわかりやすいかも。
生徒のAさんも実は他スクールでパーソナルカラーを学んだことがあったので、イエベ・ブルベのズレを見る目は養われていたわけですね。
だから違和感には気づけたんです。もう一歩!

質感がカラーコーデに与える影響

実は、素材感も色の見え方に大きく影響するんです。

ニットのような凹凸のある素材は、実際以上に黄味を強く感じさせます。
一方、スニーカーのようなフラットな素材青味を強調しがちです。

小物で「色ズレ」を解消!

では、この色のずれをどう解消すればいいでしょうか?ここで使えるのが「小物活用」のテクニックです。

シルバーやグレーの小物を使うことで、上半身と下半身の色のバランスを取ることができます。


左側が、元々使っていたネックレスとバッグ。白を選んでいるんですが黄みの強いアイボリーなので余計に青みの強いスニーカーが浮いて見える結果に。
そこを右側のようなシルバーにすると、青みの強い色が上半身にも来ることになり、全体的なバランスが取れるんです。
また、ネックレスは黒を含んだチョーカーに。黄みが強い白のパールでも、黒と組み合わせることでコントラストがつき、よりクリアな白に見える=黄みが飛ぶ効果を狙っています。

小物を変えるとこんな感じに。
スニーカーまで全体がまとまって見えるようになりましたよね!

「テイストずれ」にも気をつけて!

実はこの小物の変更では、テイストの統一にもつながっているんです。
このコーディネートでは、全体的にスポーティーな印象が強いのに、パールのネックレスだけが少し浮いていたんですね。

バロックパールのチョーカーに変更することで、それが解消。
バロックパールは正円ではないので、よりカジュアルなコーデと相性がいいんです。
チョーカータイプでレース使いのものを選べば、トレンド感も出せますし、カジュアルな印象にもマッチします。

アウターを変更することで、よりおしゃれに

ここまででも十分まとまりのあるコーディネートにはなりましたが、プロの作るコーデであればあともう一声。
アウターを変更してみましょう。

このパーカーは機能性もあるもので確かに便利なんですが、アウターって面積が大きくて全体の印象をかなり左右するので、もう少しデザイン性の高いものを選ぶとおしゃれ度がグッと上がります。

例えば、シルバー系で刺繍入りのアウターを選んでみてはどうでしょうか。

実はスタイリング全体が、「直線×曲線」が裏テーマになっているので、このアウターも直線的なシルエットと刺繍の曲線のミックス感があるものセレクト。
このおかげでより洗練された印象に。

アウターを着て見てみるとこんな感じ。

忘れがちな「レッグウエア」まで抜かりなく!

最後に忘れてはいけないのが、レッグウエアです。
小物をどこまで抜かりなく合わせられるかがプロとそうでない人の違い、といっても良いくらい重要なところです。
そして一般のお客様にとっては、小物の合わせ方までなかなか手が回らないものですから、スタイリストが一番お伝えすべきところともいえます。

特に秋冬のコーディネートでは、スニーカーソックス(短い丈のソックス)で足首を見せるのはあまりおすすめできません。
寒々しく見えますからね…
ソックスを上手に取り入れることで、全体のバランスが整いますし、寒さ対策にもなります。
今回は黄なりの白をベースにラメの糸が入ったリブ編みのソックスをセレクト。

そう、ここでも「黄み」×「青み」で全体のバランスを取っているんです。

「30代半ば女性の旅行コーディネート」ビフォーアフター

さて、添削前後のコーディネートの比較がこんな感じです。

ここまで説明したポイントを押さえるだけで、コーディネートの完成度がグッと上がりましたよね!
パーソナルスタイリストは、こういった細部まで考えて提案しているんです。

逆に言えば、パーソナルスタイリストが知っている「コーデの理論」を知れば、あなたもどんなアイテムでも自在にコーディネートができるようになるということ。
「あれ、なんかおかしい?」という組合せになってしまったとしても、一旦落ち着いて理論を思い出せば、自分で修正できるようになるんです。

 

久野梨沙
久野梨沙
自在におしゃれなコーデが組めるって、本当に面白いですよ!
以下のLINEでは、そんなコーデのコツもどんどん配信していますのでぜひ登録してみて下さいね。

 
 

FPSSのLINE公式アカウントで、未経験からスタイリストになるためのノウハウを無料配信!     ありのままの体験談が読めるFPSS生徒日記はじめました    

服装の力で新たな人生を切り開く!
FPSSで学ぶ服装心理学5月開講・第19期、残席わずか

「その人らしさを引き出す服」を提案できる、心理学に基づくスタイリストになりませんか?

FPSSでは公認心理師の久野が直接指導。
服装を通じてクライアントの深い悩みを解決できるスタイリストを育てています。

✅ 心の悩みに寄り添う - 服装心理学を活用した独自のスタイリング手法
✅ 具体的な成果 - 「自信が持てた」「昇進できた」など卒業生の実例多数
✅ 効率的な学び - アパレル未経験でも短期間で開業可能なカリキュラム
✅ 個別サポート - 少人数制で一人ひとりの目標に合わせた指導
✅ 柔軟な学習環境 - 仕事や家事と両立できるオンライン中心のカリキュラム

今なら期間限定で、個別無料面談30分 をプレゼント。

本気でスタイリストへの道を考えている方に、久野が直接あなたの現状や目標をお聞きし、最適なキャリアパスをアドバイスします。(期間限定・先着5名様)

あなたの「好き」を「仕事」に変える第一歩。

まずは気軽にお話ししませんか?

面談予約は公式LINEのメッセージで、ご希望の日時とお名前をお送り下さい!

資料請求はこちらから



執筆者プロフィール

久野 梨沙
久野 梨沙for*styleパーソナルスタイリストスクール代表
株式会社フォースタイル 代表取締役社長/一般社団法日本服装心理学協会 代表理事/跡見学園女子大学 兼任講師/公認心理師

服装心理学®に基づくパーソナルスタイリングの第⼀人者。大学で心理学を研究した後、大手アパレルメーカーの企画職を経てスタイリストに。社団法人日本服装心理学協会の代表として、装いが人の心に与える影響を研究する「服装心理学®」の啓蒙活動にも尽力。自己肯定感を高めるファッションカウンセリングや、服装を用いた印象コントロールに定評がある。著書に「最高にしっくり似合う服選び」(学研プラス)など。
Pocket
LINEで送る