パーソナルカラーでの「配色」と「混色」の区別、ちゃんとついてる?プロでも混同している人続出中…

 

こんにちは!
for*styleパーソナルスタイリストスクール(FPSS)代表の久野梨沙です。

先日こちらの動画でも解説したのですが、私のYoutubeチャンネルに、パーソナルカラー診断のスクールに通ったことがある視聴者さんから、こんな質問コメントを頂きました。

 

似ている色に共鳴して調和するという先生もいますし 補色、または減色してバランスよくする と言っている先生もみえて とても混乱します…。
先生はどちら派ですか?

 

恐らく、いろんなSNSでの情報発信を見てわからなくなっちゃったんでしょうね…。
FPSSは、一度別のスクールでパーソナルカラー診断を学んだことのある人のご入学も多いので、これを読んでいる方の中にもすでにカラー診断の技術を持っている人は多いでしょう。

ですから、この質問の答え…というか、この質問者さんが混乱している理由が分かる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

今回はこの質問に回答しつつ、SNS 上でのパーソナルカラー診断に関する情報を鵜呑みにする危険性や、発信側としての注意点についても触れていきたいと思います。

「動画の方が理解しやすそう」という方は、上に埋め込んだ YouTube 動画をご覧くださいね!

 

パーソナルカラーの
話をしているときに、
混ぜたらキケン!なのは
「配色」と「混色」

 

まず始めに端的に質問に回答しちゃうと、以下の通りです。

 

『似ている色に共鳴して調和するという先生』が正しいです。ただし、より正確に表現するなら『同じ要素を持った色と調和するのがパーソナルカラーの理論』です。
『補色、または減色してバランスよくする』のは、恐らくパーソナルカラーではない他のものとごっちゃになっていると考えられます

 

なにをごっちゃにしているか?というと、色の「配色」「混色」です。

 

 

パーソナルカラーでの「配色」と「混色」の区別、ちゃんとついてる?プロでも混同している人続出中…

 

まず、パーソナルカラー理論というのは基本的に「配色」における理論です。

 

配色とはその字面からわかるとおり、色と色を組み合わせること。
色を隣同士に置くこと、といったらわかりやすいでしょうか?

色は、組み合わせただけで相互に作用して、お互いの色が実際と変わって見えるという特性があります。
色の特性というか、私たちの目の特性ですね。

ですから、着る色によって、肌色や髪の色が違ってみえる。
良い変化も起これば、嬉しくない変化も起こります。
それを診断するのがパーソナルカラー診断です。

 

一方、「混色」というのはこちらも字の通り、色と色とを混ぜることです。
で、恐らく質問に出ている「補色」「減色」っていうのは、その後に続く「バランスよくする」という言葉から推測するに混色するときのことを言っているのではないかと思うのです。

 

メイクを例に挙げてみます。

赤みが気になる肌に、グリーンのコントロールカラーを薦められることが良くあります。
これは、赤と緑が「補色」、つまり真反対の色なので、赤に緑をぶつけることで相殺させて気にならなくさせちゃおう!という理論です。
肌の色とコスメの色を混ぜる、混色のお話しです。

「減色」っていうのは恐らく減法混色のことを言っているんじゃないかと思うんですよね。
物体色(光などではなくペンキとか、それこそコスメとかが「物体色」)を混ぜていくことを指します。
なぜ「減法」かというと、物体色を混ぜていくとどんどん暗くなっていくからで…これ以上説明すると逆にややこしくなりそうなので、割愛。

でもここまでの混色の理論に、パーソナルカラーは関係ありません。
赤みを消したいと思ったときに「でも私、グリーンはパーソナルカラー的に似合わないからなぁ」とか考える必要はないです。
なぜなら混ぜてしまえば違う色になるから。

混色した結果の色を何かと組み合わせるとき…例えば元々の唇の色とリップカラーが混じった結果の唇の色が、肌色と組み合わされるとき。
そこにパーソナルカラー的な「似合う」「似合わない」は生まれますが、それも混色した後のお話しです。

 

一方、ファッションっていうのは基本的にどこまでいっても「配色」の世界です。

あなたがブルーのアイシャドウを塗れば、あなたの肌色とブルーのアイシャドウの色が混じってあなただけの色に「混色」されますが、あなたがブルーのワンピースを着ても、そのブルーとあなたの肌色が混じることはありません。

 

 

ファッションとメイクで
パーソナルカラーの活用法が変わるのは、
これが理由

 

パーソナルカラーでの「配色」と「混色」の区別、ちゃんとついてる?プロでも混同している人続出中…

 

そう、ファッションは配色ですが、メイクは混色。
どちらもパーソナルカラーが大事とされるジャンルですが、ここが大きく違う点です。

 

ですから、質問にあった補色、または減色してバランスよくする と言っている先生」はメイクの混色理論のことを言っているんじゃないかな?と思います。
そしてそれ自体は、パーソナルカラーとは直接関係がないのですが、残念ながら混同してしまう人も結構多いんですよね……。スクールを卒業した人ですら。

 

メイクは混色されてから配色ということになるので、本当に難しいです。

SNSでも、よく新商品が出たときに明らかにタッチアップもせずに商品画像だけ見て、パーソナルカラー別に品番分類してお薦めしているアカウントありますよね?
あれ、「だいじょぶか〜〜〜??!」って正直思ってます。
コスメって見たまま発色しないこと、たくさんありますよ。

つける人の肌色と「混色」されるわけですし、なおさら。

 

また、混色されるということは、メイク次第で自分の肌色や眉色を変えることができるということ。
プロのメイクアップアーティストほど、「パーソナルカラーは気にしなくて良い」って言っている人、多いと思いませんか?
それは、その人たちが肌色や眉色、唇の色をコントロールできることを知っているから。

 

私も広告撮影で、一人のモデルさんにパーソナルカラー4タイプすべての服を着せる必要があったときに、メイクさんにパーソナルカラー理論を説明して協力してもらって、肌色などを変えて見せて全部似合うように撮影したことがあります。
撮影の場合、照明もいじれますし、結構余裕です。

 

が、それを一般人が毎日やろうと思うと、もちろん大変なんですよ。
だから「パーソナルカラー知っておけばメイクが楽になりますよ」ということなんです。

間違っても「パーソナルカラー外のコスメは使えません」ということではないんです。

 

 

SNS上でパーソナルカラー情報を
受け取るとき・発信するときに
注意すべきこと

 

パーソナルカラーでの「配色」と「混色」の区別、ちゃんとついてる?プロでも混同している人続出中…

 

SNSでは、深く考えずに商品画像だけ見て振り分けるアカウントのほうがやっぱり目立ちます。
プロはいちいちタッチアップして、どんな発色か試してから発信しているわけですから、そうすると時間がかかるし必然的に発信量も少なくなってしまう。

商品画像だけ見てカラー別に分類できるんなら、どんどん発信できますからね。
でもその情報の正確性はかなり低い……。

これって本当に問題だな、と思います。

 

だから、情報を受け取る側としては、無料で発信されている情報の正確性は低い、と考えて割り切るしかないと思います。

 

一方で、プロとして情報を発信する側としてできることは、いらっしゃるお客様は、こういう正確でない情報に惑わされやすい、と思って接することでしょう。

 

あとは、闇落ちしない(笑)。
正確性にこだわると発信量落ちちゃうし、何も考えてない(おっと失礼)アカウントにいらだつこともあるし、いっそのこと私も…なんて思っちゃうこともあるかもしれない。
でも、正確な情報を発信している方が、結果的に良いお客様が来てくれます。

それは、16年やってる私がよく経験しています。信じてがんばろう。

 

 

追記:質問者さんから追加コメント来た!

 

久野先生!!質問した者です!!
私のような者の質問に向き合ってくださった事に感動しています!!
😭✨✨有難うございます✨
私のスクールは久野先生と同じ理論を教えてくださいました。なのでこれからも信じてついていきますと共に、久野先生にも、ついてきます!!!もう好き!!
実は私が見たユーチューブさんはブルベの服は血色を引いて、イエベは血色を足す効果があると言っています。
なので久野先生の仰るとうり、私はメイクの理論と重なってしまいました。
確かに服は配色だと考えるととてもシンプルです。当たり前のことなのに、混ざる?ならば減法混色なの?加法混色なの?ともう目眩がするかと思うくらい悩みました。
もう一年以上悩んでた…
でももう大丈夫です!!久野先生のお陰です!!
大好きです!!
本当に有難うございます😭

 

あー、Youtubeからの情報でしたか…

「ブルベの服は血色を引いて、イエベは血色を足す効果」って、うーん、まぁ言わんとしてることはわからなくもないかな・・・

 

ブルベの人がブルベの色を当てたとき、肌色が明るく見える現象が一番目立つことが多いんですよね。

恐らくこれを「血色を引いて」って言ってるのかな。

 

対して、イエベの人がイエベの色を当てたときには、血色が増す現象が一番目立つことが多いので、これが「血色を足す効果」かな。

でもパーソナルカラーはあくまで配色なので、肌色から引いたり足したりはできないんです。
引いたり足したりするのは、混色。
この辺の表現を使っちゃったところが、混乱ポイントでしたね〜

 

わかりやすい表現をしようとするあまり、勘違いを呼んでしまうこともあります。
プロとしては他山の石としたいところですね。

 

また、このブログを読んで「パーソナルカラー診断は学んだけど、実は色の基本的な理論をわかっていないのかも」ということを感じた人もいるかもしれません。
パーソナルカラー診断を教えるスクールの中には、その技術を教えることだけに特化していて、色彩学は教えないところも多数あります。
ですが、結局はその基本の知識がないと、お客様のアドバイスの時に困ることになります。応用もできなくなりますしね…。

 

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執筆者プロフィール

久野 梨沙
久野 梨沙for*styleパーソナルスタイリストスクール代表
株式会社フォースタイル 代表取締役社長/一般社団法日本服装心理学協会 代表理事/公認心理師

服装心理学®に基づくパーソナルスタイリングの第⼀人者。大学で心理学を研究した後、大手アパレルメーカーの企画職を経てスタイリストに。社団法人日本服装心理学協会の代表として、装いが人の心に与える影響を研究する「服装心理学®」の啓蒙活動にも尽力。自己肯定感を高めるファッションカウンセリングや、服装を用いた印象コントロールに定評がある。著書に「最高にしっくり似合う服選び」(学研プラス)など。
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