学内会議のある日とデスクワークの日のコーディネート【スタイリング添削】
FPSSでは、課題として作ったコーディネートに、講師から細かな添削を受けることができます。その繰り返しで、スタイリストとしての技術が確実に向上し、プロとしての自信もついていく仕組みです。
パーソナルスタイリストになるまでに、どんな勉強を行っているのか、
講師からどんなアドバイスをもらえるのかの参考にして頂くために
この場所でそのやりとりを公開しています。
目次
在校生Sayuriさんのコーディネート作品
こんにちは。在校生のSayuriです。
入門講座8コマ目「コーディネートの考え方基礎」の授業の課題コーディネートを提出します。
40代後半、大学職員のコーディネートを作ってみました。
季節は冬、学内会議のある日とデスクワークだけの日のスタイルです。
学内会議のある日は、きちんと感が少しでるようにタイトスカートに。
20人程度の会議ですが女性は一人なので、少し華やかに、靴にグリーンをさし色をもってきました。
会議室まで遠いことと、ヒールの音があまりしないようにローヒールを選択しました。
デスクワークだけの日は、少しカジュアルにしました。
厚手のシャツとネックレスは少しテイストが違う気もしましたが、色合いが合うと思い選びました。
無地ばかりなので、靴をひょう柄にして少し遊び心も出しました。
デスクワークだけとはいえ、力仕事もあるのでローヒールのほうが使えます。
講師・久野よりコーディネートへのアドバイス
Sayuriさん、こんにちは!
早速コーディネートに関してアドバイスをしていきますね。
程よい女性らしさと、仕事内容を意識して着心地のよいアイテムセレクトはとてもいいですね。
ただ、色調と質感がばらけているアイテムが見られますので、それをまとめていくとより統一感のあるコーディネートに仕上がりそうです。
まず1つめは、靴です。
差し色にするということで明るい色を選んだのだと思いますが、スカートにもアクセントカラーとなり得るマスタードカラーが入っており、これがディープトーン程度の色調なのに対し、靴はブライトトーンなのでばらつきを感じてしまいます。
洋服に対して靴のデザインにかわいらしさが強いのも、相性が悪く見える原因となっています。
2つめはアクセサリーです。
明度の低い洋服に対して、時計とネックレスのゴールドの明度が高く艶があるため、これも浮いて感じます。
これらを修正すると、以下のようなコーディネートが考えられます。
靴は同じバレエシューズタイプのデザインですが、グリーンの色調をディープトーンに。
デザインはさほど変えなくても、色調がスカートの柄と合うだけで違和感がなくなります。
続いてネックレスはヴィンテージ調のビーズモチーフのネックレスに。
時計はベルトはハラコ、フェイスはゴールドで白より明度を低く。
2つともツヤが抑えられ、色味も暗くなることで洋服との相性が良くなりました。
修正前後を比べてみましょう。
コーディネートとしては柄のスカートが最も目を惹きますので、これを主役アイテムとし、それ以外のアイテムは極力このスカートになじませるよう共通性をもたせることが、違和感のないコーディネートを作るコツです。
靴とスカートの柄は色調を合わせ、また、スカートの古着っぽい柄をヴィンテージ風のアクセサリーと合わせることで引き立たせ、まとまりよく仕上げました。
逆に、小物と靴はそのままにスカートを変えることでばらつきを無くすこともできますので、そのパターンの修正にもチャレンジして下さい。
続いてデスクワークの日のコーディネートです。
こちらの場合、洋服の色調は全体的に合っているのですが、特にカーディガンとスカートの色相が近いために、メリハリのない曖昧な配色になってしまっています。
色相の選び方は、「カラーコーディネート」の授業でより詳しく学んでいきますが、例えばこのコーディネートに使われている色相を、色相環上にプロットするとわかりやすくなります。
洋服で使われている色が色相環上で近い距離にある=似た色相ばかり使っていることがわかります。
このような場合、トーンを離すか質感を大きく変えるかしない限り、メリハリのない印象になってしまいます。
これを、トーンはそのままに色相を大きく離すと以下のようなコーディネートになります。
この洋服のコーディネートに使われている色相は、以下の通りです。
このように色相を大きく離すと、色調が一緒でもコントラストが効いて綺麗に見えます。
特に彩度が低いときには、似た色相だけでまとめると曖昧でわかりづらい配色になりやすいため注意しましょう。
修正前後を比べてみると・・・
洋服以外に、バッグも修正前はストロー素材で季節感があっていなかったため、ファーバッグに差し替えています。
カラーコーディネートは、改めて今度の授業で確認し、理論的に組んでいけるよう練習しましょう。
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