ファッションでの
セカンドキャリア、
成否を分ける3つの要因とその対策

 

セカンドキャリアとは、文字通り「第2のキャリア」のこと。

基本的には定年退職後にはじめる新たな仕事を指すことが多いのですが、最近では子供の出産後に一度会社を辞めてからまた新たにはじめる仕事や、将来を見据えて仕事をしながら培っていく副業(複業)としてのキャリアを指すことも多くなってきました。

そして特に最近では「いつか好きなことを仕事にしたい」と考えていた人が、セカンドキャリアとしてファッションの仕事を選ぶことが増えています。しかしその結果、残念なことに失敗してしまう人もかなり多いのです。

そこでこの記事では、for*styleパーソナルスタイリストスクール(FPSS)で約10年にわたってファッションでのセカンドキャリアについてアドバイスしてきた経験から、失敗してしまう要因とその対策について解説していきます。

目次

なぜセカンドキャリアを見つける
重要性が増しているのか

 

私たちは人生100年時代を生きています。そのため、これまで通り定年まで勤められたとしても、その後にまだ何十年という人生が残っています。その間ずっと働かずにいることはほとんど不可能。金銭面でも、また、生きがいを保ち続ける意味でも、定年後も仕事を確保しておく必要があるのです。

また、そもそも定年まで同じ会社に勤め続けられるのか?という問題もありますよね。もはや終身雇用制度は崩壊しているも同然。いつ自分の会社がどうなるかわからない……という状況で、定年よりも遙かに前に、リスクヘッジとして他にもキャリアを積み上げておこうと考える人が増えているのです。

さらに、勤め続けられたとしても、雇用条件も厳しくなっています。1つの仕事だけでは生計を立てるのが難しくなってきている人も多いでしょう。副業を認める代わりに就業時間も給与も減らす企業も出てきています。そうなると副業(複業)として少しでも早くセカンドキャリアを見つけなければなりません。

これらの理由から、幅広い年齢層でセカンドキャリアを見つけることが欠かせなくなってきているわけです。

 

セカンドキャリアとして
ファッションが選ばれやすい理由

 

セカンドキャリアは、多くの場合ファーストキャリアを続けながら探すことになります。そうすると多くの人が「今度は好きなことを仕事にしたい」と考えます。これが、セカンドキャリアとしてファッション関連の仕事が選ばれがちな理由です。

「大学を卒業して就職するときは、ファッションの仕事は親に反対されたけど、やっぱりずっとおしゃれが好きだから、今度こそその関連の仕事に就きたい」
という人は多いものです。

また、ファッションは万人に関係があります。服を着ない人は世の中にいません。だからキャリアとしてもチャンスが多いのでは、と考えて選ぶ人が多いのです。

さらに、ずっとおしゃれが好きだった人にとっては、その経験が活かせるということも大きな魅力です。

ファッションを仕事にした人は、「ずっとお金を費やしてきたことが逆に仕事になるなら、これほど効率が良いことはない!」とみんな口を揃えます。

もちろんこれらは間違いではなく、セカンドキャリアとしてファッション業界の仕事は大きな魅力があることは事実。
しかし、飛び込んだ全員が成功するわけではもちろんありません。むしろ失敗して挫折してしまう人もたくさんいます。

どんな原因で失敗してしまうのでしょうか?それは大きく3つ、挙げられます。

 

ファッションでの
セカンドキャリアが
失敗する3大要因

 

ファッション市場の理解不足

在庫商売の難しさと体力の問題

 

まず「ファッションの仕事を!」と思うとき、自分の好きな服を買い付けたり作ったりして販売しよう、と考える人は多いものです。特に、ネットショップが簡単に開けるようになって以降はその流れが加速しています。

しかし、ショップ開業自体は簡単になっても、在庫を抱えるビジネスの難しさは変わりません。
売れない服を仕入れてしまったら、長く置いておくほど流行も過ぎていくので余計に売れなくなります。そのスピードたるや、食品が腐るよりも速いことも。

そして売れなくても、服を保管する場所代はかかり続けるのです。初期費用をかけて服を買い付けてそれが売れず、場所代だけがかかり続けるストレスは大変なもの。簡単におすすめできるものではありません。

また、服を運んだり出荷したりと、販売には意外と体力も必要です。それらを踏まえると、セカンドキャリアとしてショップを開業するというのは、よほどの経験がない限り避けた方がよいでしょう。

 

おしゃれが苦手な人の気持ちがわからない問題

 

そうなると、在庫を抱えない仕事、例えばパーソナルスタイリストやイメージコンサルタント、ファッション講師といった、ファッションについてアドバイスする仕事のほうが遙かに安全ということに。
ですから最近はこれらの仕事を選ぶ人が急増しています。

しかしこのアドバイス業を選ぶときにも注意が必要です。そもそもアドバイスを必要としている人は、おしゃれに悩んでいる人やおしゃれが苦手な人です。
しかしアドバイス業に就こうとする人は、もともとおしゃれが好きな人や得意な人がほとんど。
そうなると、お客様の気持ちが全くわからず、集客できなかったり、一度利用してもらえても満足のいくサービスが提供できなかったりするのです。

また、おしゃれ好きはどうしても「服を買うためのアドバイス」をしがちですが、おしゃれに悩んでいる人の中には「服を買わなくて済むアドバイス」を求めている人も少なくありません。そこにすれ違いが生じ、上手く行かないケースが多発しています。

 

ファッションの技術や知識の不足

他者に教えるとなればやはり専門知識は必要

 

さらに、おしゃれが得意な人が見落としがちな事がもう一つあります。それは、自分に似合うものと他者に似合うものは全く違う、ということ。

いくらおしゃれが得意といっても、自分の服を選ぶ場合に限ったこと。初めて会うお客様のコーディネートの技術があるわけではないのです。

それをやるには、やはり基本的なファッションやコーディネート理論は欠かせないのですが、自分のおしゃれに自信がある人はその必要性を実感できず、いきなり起業してしまって失敗……というケースもとても多いのです。

うちのスクールに入学した生徒さんが、これについて印象的な言葉を残しています。

「私が履けば間違いなく美脚に見えるパンツが、他の人が履いたらまったくそう見えなかったことに愕然とした」

とはいえイメコン資格を取れば良いというものでもない

最近は似合う服を選ぶためのメソッドや資格が知られるようになってきたので「じゃあそれを取れば大丈夫!」と思う人も多いのですが、そこでも注意が必要です。

SNSでよく名前を見かけたり、ファッション雑誌で取り上げられたりしている資格をつい選びがちですが、そういう有名な資格は、取得している人も多い……つまりライバルも多いのです。自らみすみすレッドオーシャンに飛び込むようなもの。むしろ起業を難しくすることもあるというのは、覚えておくと良いでしょう。

セカンドキャリアに向けた
人間関係の構築不足

 

1人で起業するのはとても難しいものです。それは、前述のような知識を得られないということもありますし、そもそも仲間がいないとモチベーションが保ちづらく、途中で挫折しがちであるということもあります。

さらに人間関係の構築力は、集客をするためにも重要です。特に謙遜が美徳とされる日本人は、自分のことをアピールするのに慣れていない人が圧倒的多数。だから集客を難しく感じがちです。

また、仮に1度お客様に利用してもらったとしても、その人に2度・3度と繰り返し利用してもらう仕組みを作らないとビジネスの継続は難しくなります。常に新規集客をし続けるというのは実質的に不可能だからです。リピート利用して頂くための関係性を構築するためにも技術が必要なのです。

 

ファッションでの
セカンドキャリアを
成功させるポイント

 

 

失敗してしまう要因を長々と書き連ねてきたので、ここまで読んで下さった方は「やっぱり私には無理かも…」と自信をなくしてしまったかもしれませんね。

でも安心して下さい。先に失敗する要因がわかっていればこそ、先手を打ってそれを防ぐことができるのです。結果、成功確率はぐっと高まります。では早速失敗を防ぐ対策を見ていきましょう。

在庫リスクを避け、小さく始める

 

やはりアパレルショップ運営経験がない限りは、在庫リスクを抱えるビジネスをいきなり始めるのはハードルが高いものです。

その点、パーソナルスタイリストやイメージコンサルタント、ファッション講師など、知識を販売するビジネスであれば在庫リスクはありません。そのような仕事を選んでまずは小さく始めること。そこでセカンドキャリアが上手く回り始めたら、徐々にステップアップしていきましょう。

FPSSの卒業生さんの中にも、まずはパーソナルスタイリストとしてセカンドキャリアをスタートさせ、その後アパレルショップをオープンという流れでキャリアアップさせて成功した事例があります。

資格に頼ったビジネスは避ける

 

失敗する要因の中でお伝えした通り「イメコン診断」に頼ったサービスは、もはや過当競争に陥っています。
試しにココナラ(個人のスキルを売買できるWEBサイト)で、パーソナルカラーや骨格診断といった有名な資格名で検索をしてみて下さい。非常に安い価格で診断サービスが提供されていることがわかるはずです。

そのような競争の中に巻き込まれないためには、資格を取った診断を単純に提供するだけ、といったような資格に頼ったビジネスをしないことです。

そうではなく、自分の持っている経験や資質と組み合わせたオリジナルなサービスを作ることを心がけましょう。

FPSSでは、その人が持っている経験を棚卸ししたり、公認心理師による性格診断を受けてもらったりして、その人にしかないオリジナリティを見つけ、それをサービスメニューにする授業を行っています。そのため、卒業生全員が同じメソッドを学ぶに関わらず、ライバルにならず共存できています。詳しくは以下の記事にもまとめてありますので、是非ご覧下さい。

「キラキラ」した印象に惑わされない

 

ファッション雑誌などのメディアに取り上げられていたり、SNSでフォロワーが多かったりするスタイリストやイメコンを見ると、つい「自分もそうならなければ…」と焦ってしまうものです。

その発想からセカンドキャリアの準備を始めてしまうと、「キラキラ」しているように見えるスクールに入ってしまいがちですが、そこはぜひ落ち着いて考えてみて下さい。

今やファッション雑誌はよほどのファッション好きしか見ないメディアになりました。しかし、ファッションアドバイス業をするときにお客様になるのは、ファッション好きではなくむしろファッションが苦手な層です。その人たちは、ファッション雑誌は読んでいません。だからいくらそうしたメディアに出ても、未来のお客様に見てもらうことはできないんです。

実際に、私も依頼を受けてファッション雑誌の企画監修したり取材に応じたりしたことは数え切れないほどありますが、それで実際にお客様が来て下さったことは正直言ってほとんどないのです。
それより、まったく異業種のメディア…例えば特定の士業向けの業界紙や、日経などの経済誌…のほうがよほど反響が大きいです。

また、SNSのフォロワーの数にもこだわりすぎないことが大事。いくらフォロワーが多くても、その人たちがおしゃれの悩みを相談したいと考える潜在顧客でなければ何の意味もありません。

メディアやSNSに取り上げられることに焦らず、自分の顧客層に合わせたアプローチができるよう計画していきましょう。

FPSSでは開業講座で、自分のサービスを喜んでくれるお客様を集めるための集客技術について学ぶことができます。

カウンセリング技術を磨く

 

そもそも、お客様の外見から似合う服を診断するだけであれば、遅かれ早かれAI技術で自動でできるようになってしまうと思います。そういう意味でも、いわゆる「イメコン診断」をメインとしたサービス設計をするのはリスクが高すぎます。

ではAIがますます発達しても残っていくビジネスをするためにはどうしたらよいでしょう?

それは人間にしかできないことをサービスに組み込むことです。一番は、お客様のお悩みをしっかり聞き、それを解決できる心理カウンセリングの手法を組み込むこと。心理カウンセラーの役割をAIに置き換えることは不可能と言われています。似たような対話ができるAIはできるでしょうが、そもそも心理カウンセリングは「生身の人間に聴いてもらっている」という付加価値がつかないと効果をもたらさないものだからです。

心理カウンセリングの手法を学ぶと、お客様のおしゃれの悩みを根本から理解し、アドバイスすることができるようになります。悩みの根本原因を理解した結果、似合う服の診断は不要だった、というケースも少なくありません。

お客様の心を理解し寄り添えるサービスが出来れば、リピーターの増加にも繋がります。その上カウンセリングの技術はファッションアドバイス業に限らず、アパレル業界に再就職したり、ショップを開いたりとあらゆるキャリアプランで活用できるのです。

 

ファッションでのセカンドキャリア 成功事例

子育てと会社勤めをしつつ、セカンドキャリアとしてスタイリストを選択。週末だけで集客できる秘訣は

2人の子育てと会社勤めを両立させながら、ずっとやりたかったパーソナルスタイリストにも挑戦することに決めたReikoさん。
WEBやSNSよりアナログな人脈作りのほうが向いているかもとFPSSで気付き、自分らしい集客方法で活躍しています。

服を見るのがとにかく好き! という気持ちをパラレルキャリアに活かして成功

昔から服を見たり着たりするのがとにかく好きで、その時間が仕事になれば……と考えて、FPSSに入学。
大手企業人事職とのパラレルキャリアをスタートさせて半年で、スクールにかかった費用を取り戻した強者です。
利用したお客様の意見をサービスにフィードバックさせること、上手く時間を使うことが成功の秘訣、と話してくれました。

母の服の相談を受けたことがきっかけで、シニア向けスタイリストに

現在はシニア世代向けスタイリストとして講座を開いたりメディアにも取材されている野本しょうこさん。
FPSS第1期卒業生です。

ファッションでのセカンドキャリアのきっかけは、ご自身のお母様の服選び。
60代以上の女性の服探しがとても難しいという現実に気づき、その世代のおしゃれのお手伝いがしたいとFPSSに入学しました。

子育てでキャリアを諦めた後、一念発起してパーソナルスタイリストに

元々デザイナーとしてアパレル業界で活躍していた河野さおりさん。
FPSS第1期卒業生です。
子育てで一度キャリアを諦めざるを得なかったのですが、「やっぱりファッションの仕事がしたい!」と一念発起。

今までのキャリアや経験を活かして「服で困っている人の役に立ちたい」とパーソナルスタイリストを志して、FPSSに入学。
これまで感覚でやってきたファッションを理論的に解説する力を身に付けて独立。

現在ではパーソナルスタイリングだけでなくデザインの仕事、ライティングの仕事などファッションを軸に様々な活躍をされています。

まとめ:
ファッションでの
セカンドキャリアを
成功に導くためのスクールの選び方

 

 

さて、ここまでの内容を踏まえれば、そもそもファッションでのセカンドキャリアを目指すに当たってスクールに入るべきか、そしてスクールで何を学ぶべきかが見えてきたのではないでしょうか。

特に重要なのは以下の2点です。

✅他者に正しいファッションアドバイスをできるようになるには、ファッションやコーディネートの基礎知識、似合う服の選び方などの知識は必須。それらを独学で身に付けることは難しいので、効率よくセカンドキャリアを始めるためにもスクールには入るべき

✅ただ、知識や特定の技術だけを教えるスクールでは、卒業生全員がライバルになってしまう。自分の経験や資質を引き出し、オリジナルサービスを作るところまで教えてくれるスクールを選ぶと◎

 

FPSSでは、ファッションの知識だけでなく、生徒1人1人の性格分析に基づくサービスメニューの開発や集客方法までしっかりと教えます。このようなカリキュラムがあるのは、FPSSだけです。

また、講師が17年以上のキャリアを持つパーソナルスタイリストで公認心理師でもあるため、心理学の知識もしっかり学べます。これからのAI時代に欠かせないファッション人材を育てます。

セカンドキャリアは多くの場合、現状の本業を抱えながら準備をしていく必要があります。
そんな忙しい毎日の中でも、効率よく必要な知識を凝縮して学べるFPSSをぜひ活用してください。皆さんがセカンドキャリアで成功するためのサポートを全力で行います。

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執筆者プロフィール

久野 梨沙
久野 梨沙for*styleパーソナルスタイリストスクール代表
株式会社フォースタイル 代表取締役社長/一般社団法日本服装心理学協会 代表理事/公認心理師

服装心理学®に基づくパーソナルスタイリングの第⼀人者。大学で心理学を研究した後、大手アパレルメーカーの企画職を経てスタイリストに。社団法人日本服装心理学協会の代表として、装いが人の心に与える影響を研究する「服装心理学®」の啓蒙活動にも尽力。自己肯定感を高めるファッションカウンセリングや、服装を用いた印象コントロールに定評がある。著書に「最高にしっくり似合う服選び」(学研プラス)など。
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