パーソナルスタイリストの起業が失敗するのは、新規集客ができないからではない!

新規のお客様が集められれば、起業は成功すると思っていませんか?

パーソナルスタイリストの起業

こんにちは!for*styleパーソナルスタイリストスクール代表の久野梨沙です。

さて。
起業前の方から1番よく頂く質問は、「私にも本当に集客できるのでしょうか?」というもの。
まずはお客様に来て頂かなければ何も始まりませんから、不安になるのも無理はありません。

しかし本当に重要なのは、実は新規集客ではなくリピート集客。
つまり新しいお客様を集めることより、1度来て下さったお客様に2度、3度と足を運んで頂くことこそが最も大切なのです。
逆に、リピート集客がしっかりできるビジネスになっていれば、それほどたくさんのお客様を集めなくてもビジネスは回っていきます。

ということは、初めから「2度3度と利用したくなるパーソナルスタイリスト」になることを意識して起業しておくのがベスト、ということ。
このことに初めから気づいていれば、起業前に学ばなければいけないことも自ずと分かってくるはず。

お客様に二度と来てもらえないパーソナルスタイリストとは?

先日、私のサロンにこんなお客様がいらっしゃいました。
以前他社でパーソナルカラー診断や骨格診断を受けたそうなのですが、似合う服を診断されて
「とにかくこれを着て!」
といくつかのスタイリング写真を見せられ、同じようなテイストの服を薦められただけで終わったというのです。

・・・と、ここまで読んで、このアドバイスの内容に問題を感じない人は要注意!
こんなやり方をしていたら、リピート集客は到底望めなくなってしまいます。

お客様の似合う服を診断するだけのサービスなら、一度受ければ十分。
いやむしろ似合う服を知りたいだけならば、雑誌や本などで調べたり、ネットの簡易診断で済ませることだって今では難しくありません。

それでもわざわざお金を払ってスタイリストの元へ足を運んでくださる人がいるのはなぜでしょう?

それは、本には載っていないこと、診断だけではわからないことを尋ねたいから。

他社で診断を受けて、しっくりこなかったとおっしゃったそのお客様。
彼女が本当に望んでいたことは、似合う服を限定されることではなかったのです。
それよりも、自分の好きな服をどうやって自分に似合わせればいいのか、幅広いテイストの服を着こなすにはどうしたらいいのか・・・
そういったことを聞きたいと思っていたのでした。

リピート集客につながらないのは、思い込みに捕らわれてお客様のニーズに気づけないから

「誰でも、一番似合う服を着るのが幸せに決まっている」という思い込みがあるスタイリストは、診断をしてその結果を断定的に伝えるだけのサービスを提供しがちです。

しかし100%似合う服を着ることよりも、80%しか似合わなくても自分が好きと思える服を着たほうが幸せという人も世の中にはたくさんいます。
その人にとってどういう状態が幸せなのかをわかっていなければ、どんなサービスも的外れになってしまうのです。

その結果、一度お客様が来たきりで二度と来てくれず、いつまでも新しいお客様を集め続けていかなければいけない非常に苦しいビジネスに・・・。

その揚げ句は、せっかく頑張って起業したのに結局廃業してしまったり、
スタイリスト以外にヘアメイクやカラーセラピー、マッサージなど様々なメニューに手を出さなければ稼いでいけなかったり。
そんなスタイリストになってしまう人が、とても多いのです。

FPSSでは、継続できるビジネスを作るためには、服装心理学やカウンセリングの技術が必須だと考えています。
それは、お客様の中にある本当のニーズを引き出すため。
お客様の真の願いに気がつき、その実現のお手伝いができれば、このサービスは長いお付き合いができるものになるのです。

自分の思い込みに自分で気がつくのは難しいから・・・

そうはいっても、自分のサービスが思い込みに基づく独りよがりなものになっていないかって、気づくのは難しいものなんです。
誰でも初めは「自分がされて嬉しいこと」を基準にサービスを提供しますから、自分と好みや考え方が全く異なる人が来るとぜんぜんかみ合わない・・・なんてことにも。

自分の好みや性格、考え方の偏りを知っておかないと、独りよがりなサービスから脱することはできません。

実は、FPSSで定期的に開催している勉強会は、自分の強みがわかるだけでなく、考え方の偏りもわかるというのが大きなメリット。
起業には、自己分析は欠かせません。
「失敗する前に、自分が失敗するパターンが予想できた」なんて感想もいただいています。
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執筆者プロフィール

久野 梨沙
久野 梨沙for*styleパーソナルスタイリストスクール代表
株式会社フォースタイル 代表取締役社長/一般社団法日本服装心理学協会 代表理事/公認心理師

服装心理学®に基づくパーソナルスタイリングの第⼀人者。大学で心理学を研究した後、大手アパレルメーカーの企画職を経てスタイリストに。社団法人日本服装心理学協会の代表として、装いが人の心に与える影響を研究する「服装心理学®」の啓蒙活動にも尽力。自己肯定感を高めるファッションカウンセリングや、服装を用いた印象コントロールに定評がある。著書に「最高にしっくり似合う服選び」(学研プラス)など。
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