【公開添削】洋服とサングラスとのコーディネート術

FPSSでは、課題として作ったコーディネートに、講師から細かな添削を受けることができます。その繰り返しで、スタイリストとしての技術が確実に向上し、プロとしての自信もついていく仕組みです。

パーソナルスタイリストになるまでに、どんな勉強を行っているのか、
講師からどんなアドバイスをもらえるのかの参考にして頂くために
この場所でそのやりとりを公開しています。

在校生MMさんのコーディネート作品

 

※このコーディネート作品は前回のコーディネート添削の続きです。
まずはこちらからご覧下さい。

 

こんにちは。在校生のMMです。
前回のスタイリング作品で課題の出た「サングラスを活かしたコーディネート」です。
アラフォーOLの、アマン東京ホテルでDinnerのためのコーディネートというテーマで考えてみました。

 

残暑が和らぐのを感じる週末の午後。
アラフォーOLが、忙しい日常から少しかけ離れ、久しぶりに夫とDinnerへ。
今年東京にオープンした、話題のアマン東京ホテル、ザ・カフェbyアマンで早めのDinnerへ。

まだ陽が沈みきらない時間からのDinnerには、アマンの雰囲気を壊さないラグジュアリーなサングラスを。
カフェでのDinnerなので、足元はサンダルで軽やかに、バッグも少し遊びを取り入れたデザインで。

バッグの丸いモチーフをウォッチのフェイスとサンダルのストラップバングルにリンク。

 

講師・久野よりコーディネートへのアドバイス

MMさん、こんにちは！

前回のコーディネート添削で、「選んだサングラスにもっと合うコーディネートを作ってみては」と提案しましたが、それを受けて制作して頂いたものですね。
早速コーディネートに関してアドバイスをしていきます。
まず、特定のシーンを想定するとき、そのコーディネートを着て行く場所にふさわしいかどうかは最低条件です。
今回はアマン東京のカジュアルエリアであるカフェを想定したコーディネートですので、かしこまりすぎず、ほどよいドレス感も感じさせられるブラックミニドレスはちょうどよいセレクトと言えますね。
色合わせもモノトーンということで、特に違和感がある部分は見当たりません。

 

次にデザインに目を移すと、ドレスの形はサックワンピースと呼ばれる、ウエストの絞りがないすとんとしたタイプ。
体のラインが出ない若々しい印象の強いドレスですから、バッグ・ウォッチ・サンダルを丸のモチーフでつなげてポップな印象を加えるのはとても良い選択です。
色がシックですから、形でこれくらいの遊び心は欲しいところです。

 

しかし、それらが肝心のサングラスと合うかというと、少し厳しいところ。

このサングラスはROBERTO CAVALLIのもので、もっと大人っぽいゴージャスさや色気のあるファッションに合わせるデザインです。
モノトーンでまとめたことで大人っぽさを演出したのだとは思いますが、各アイテムのデザインのポップさやキュートさが際立ち、サングラスに合わせるのに必要な色気のあるスタイリングにはなっていません。

 

このサングラスの世界観にふさわしい大人っぽさやゴージャスさがどんなものかは、ROBERTO CAVALLIのコレクション画像を見てみるとすぐにつかむことができるでしょう。

いかがでしょうか？
作成したコーディネートに比べると

■体のシルエットが出るようなデザイン
■優雅なドレープ感

といった要素が大きく異なっていると思います。
これが色気を感じさせる要素です。

 

もちろん、小物と洋服のブランドを揃えなければいけないということでは決してありません。
しかし、今回の課題のサングラスのような個性的なデザインのコーディネートを考えるためには、そのブランドの世界観を知っておくことは必須。
そのためには、そのブランドのコレクションを確認しておくのが最も近道ということをお伝えしたかったんです。

 

それでは今回コーディネートした服・バッグ・時計・サンダルに似合うサングラスってどんなものでしょう？

以下を一つの答えとして作成してみました。

サックドレス、「丸」というポップなモチーフに共通するテイストは60年代風（ぜひ1回目のファッション史の授業のテキストを確認して下さいね！）。
そしてブラックドレスから、オードリー・ヘップバーン主演の「ティファニーに朝食を」へと発想を広げ、この映画の中でオードリーがかけ、60年代に大流行となったキャットアイ・サングラスを合わせてみました。
修正前のスタイリングと改めて比較してみましょう。

このサングラスのレトロ感と形のユニークさが、遊び心のあるコーディネートにぴったりと合い、大人のかわいらしさを演出できる着こなしになったのではないかと思います。

 

小物を合わせる際には、それらのデザインが指し示す世界観がすべて合っているかどうかをしっかり確認する必要があります。
ROBERTO CAVALLIの世界観をじっくりと消化した上で、再度このサングラスを活かすコーディネートを作り直してみて下さい！

その他の公開コーディネート添削を見る

 

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