【公開添削】アラサー営業ウーマン向け「後輩と差がつく着回しコーデ」

FPSSでは、課題として作ったコーディネートに、講師から細かな添削を受けることができます。その繰り返しで、スタイリストとしての技術が確実に向上し、プロとしての自信もついていく仕組みです。

パーソナルスタイリストになるまでに、どんな勉強を行っているのか、
講師からどんなアドバイスをもらえるのかの参考にして頂くために
この場所でそのやりとりを公開しています。

在校生Yさんのコーディネート作品
- 週5日分の着回しワードローブ
- 週5日分の着回しコーディネート
講師・久野よりコーディネートへのアドバイス
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在校生Yさんのコーディネート作品

今回は以下のようなお客様を想定して、1週間分の着回しができるようなワードローブとコーディネートを考えました。

不動産関係の法人営業をしている29歳の女性。体型はX型。
後輩と差がつくような、1ランク上のオフィススタイルに変えたいというお悩みを持っている。
仕事は週に4日程度が外回り、1日は内勤。

週5日分の着回しワードローブ

今回使用したアイテムは以下の19点です。

そしてコーディネート一覧です。

週5日分の着回しコーディネート

それでは1点ずつ紹介します。

コーディネートA。ジャケット着用できちんと感を出しつつ、全体は女性らしく落ち着きのあるトーンでまとめました。
法人営業ということでジュエリーもシンプルなデザインでフォーマル感のあるものに。

コーディネートB。モノトーンのコーディネートの中にアクセサリーで差し色を。

コーディネートC。こちらは内勤の日用のスタイリングです。
Bのセンタープレスのパンツを着回し。ハリ感のあるトップスはベルトでウエストマークします。
オフィスワークなので足元もフラットシューズで少しカジュアルダウンさせました。
パールのアクセサリーで大人の上品さも忘れずに。

コーディネートD。営業用のコーディネートです。
Bのジャケットを着回し。
中のシャツはストライプ柄で縦のラインを強調しスッキリと。

コーディネートE。Aのジャケットを着回し。インナーはセパレートに見えるワンピースです。

講師・久野よりコーディネートへのアドバイス

Yさん、こんにちは！
早速アドバイスをしていきますね。
まず改めてセレクトしたアイテムを見てみましょう。

アイテムのシルエットはX型の女性に適した直線的で体のラインがわかるものになっていますので、この点では良いセレクトです。
ただ、
・アクセサリーの点数が多すぎます。1度のお買い物同行でこの量をすべて買うのは難しい点数です
・コーディネートBに使っている12と14のアクセサリーは、法人営業の女性が身につけるには華美すぎます
・コーディネートCは上下とも黒のアイテムで重い印象になってしまっています
という問題点が見られます。

これらを1つずつ解決していきましょう。

まず、コーディネートCは以下のように変更。

パンツをブラックウォッチ（緑と黒のタータンチェック柄）に替えました。
オールブラックの重さが抜けつつ、他の全てのアイテムにも合わせられるアイテムです。
ブラックウォッチの良い点は、他の柄物ともコーディネートしやすいこと。
ですから・・・

唯一の柄物だった4のストライプシャツともこんな風に組み合わせ可能。
黒無地からブラックウォッチに替えることで着回しの幅が狭まってしまうような心配もいりません。

さて続いてアクセサリー問題です。

Bのコーディネートのアクセサリーが華美すぎましたので、以下のように変えてみましょう。

黒のボトムは先ほどブラックウォッチのパンツに差し替えましたので、こちらのコーディネートも変更。
するとそれだけで全体の雰囲気がマニッシュに変わりますので、ますますきらきらジュエリーはそぐわなくなります。
その代わりに投入したのがスカーフ。
光り物であるジュエリーは、その大きさや色によってはビジネスシーンに不向きになりますが、布でできているスカーフは華美に見えることがなく、アクセサリーとして程よい華やかさを加えてくれるのです。

変更する前のコーディネートと比べてみましょう。

左側に比べて右側は、華美さが抑えられ、ビジネスシーンにふさわしいキリッとした印象に変わりました。
それでも、スカーフの効果で地味になることは防げています。
これなら後輩とも差がつく先輩コーデとして十分。

そして最後の変更は、ワンピース。

左のコーディネートも良いのですが、他との着合わせも考え、ワンピースを右のように柄物に変更します。
すると・・・

3の黒のプルオーバーをレイヤードして、ワンピースをスカート風にも着回しできるようになります。
これが変更前のワンピースだと、スカート部分が紺なので3のプルオーバーと組み合わせても暗い印象になってしまいます。

さて、改めて修正したワードローブを見てみましょう。

アクセサリーを2点減らし、パンツとワンピースをそれぞれ差し替えただけで、すべてのアイテムが組み合わせ可能に。
１５パターン（アクセを変えればもっと増える！）ものコーディネートができるようになりました。

こんな風に、お客様の1週間分のワードローブまとめ買いのご提案をする際には、最大限のコーディネートが作れるかどうかを考えながらアイテムをセレクトする必要があります。
1つのコーディネートを作りながら、今まで選んだアイテムとも組み合わせられるかを考える、という難しい作業ですが、これができてこそ「パーソナルスタイリストに頼んで良かった！」と思って頂けます。
今から数多く練習し、最善のワードローブを選び抜くスキルを身につけましょう。