おしゃれが苦手な本当の理由を「意識」するImage courtesy of FrameAngel / FreeDigitalPhotos.net
「なんだかチャラチャラしている感じがして、おしゃれをするのに気が引けるんです・・・」

パーソナルスタイリストという仕事をしていると、そんな風に、おしゃれに対して「罪悪感」を抱いている人によく出会います。
ただ単に「おしゃれが苦手」という人ならさほど珍しくはありません。
でも、それよりもっと強く、おしゃれに対してマイナスイメージを持っている人がいるのです。

そんな人は、自分の中に「もっときれいになりたい」とか「もっとかっこよくなりたい」という感情が生まれると、とても混乱するようです。「おしゃれなんか」という思いと、「自分を磨きたい」という気持ちとが自分の中で戦い始めるからです。
大抵の人は自然におしゃれを楽しめるのに、一部の人がこんな葛藤を起こしてしまうのはなぜでしょう?
何か外見的なことでコンプレックスを抱えているからでは・・・?と思いがちですが、実は理由は全く別。
外見とかファッションとは関係なく、人間関係にその理由があることが多いのです。それも、家庭内での人間関係に・・・。

一番多いのは、親御さんとの関係性に起因するケース。これは特に女性に多く見られます。
フォースタイルでのファッションカウンセリングの中で、
「そういえば小さな頃、お母さんがお化粧をしたりおしゃれをして『女性』に変身するのが嫌だった。
そこから、おしゃれにあまりいいイメージがないかも・・・」
と気づく方もいらっしゃいます。

また、
「小さな頃からお母さんに着る物をすべて決められていて、自分で服を選ぶと必ず批判された」
というのも、非常に多いケースです。
自分で好きな服を購入し始める思春期ごろになってもなお親が子の選んだ服にあれこれ批判を続けると、子は
「自分で服を選ぶのは悪いことだ。自分が好きな服を着るとろくなことがない」
と思い込むようになります。
その結果、おしゃれに対して負のイメージだけが残ることとなります。

そして、そこから年を重ねるほど、おしゃれへの罪悪感の理由は無意識に押しやられるようになります。
気づけば、なぜかおしゃれをする気がおきないという感情が残っているだけ・・・。
おしゃれが苦手な本当の理由を「意識」する

この場合、まずやるべきことは「無理矢理おしゃれをする」ことではなく、なぜおしゃれが苦手になったのか、その理由を無意識の領域から意識の領域に引き上げることです。
無意識の思い込みは、意識できるようにするだけで解決に向かうことがほとんどです。なぜなら、意識することで、その思い込みの理不尽さや意味のなさに気づくことができるから。
そこから、改めて「今後、おしゃれとどのようにつきあっていきたいか」を考えて、実行に移していけばいいんです。

いろいろなお客様とお話ししていると、おしゃれへの罪悪感の理由に気づく前に無理におしゃれに飛び込んでしまうことで、余計にフラストレーションを抱えてしまう人が少なくないようです。
あまりにおしゃれに対するマイナスイメージが強い場合には、おしゃれだけでは解決できないにも関わらず・・・。
フォースタイルでは、まずは丁寧なカウンセリングを通じて、おしゃれの障害になる心のしこりを見つけるところからスタートしています。
長らく罪悪感でおしゃれを楽しめなかった50代の女性が、フォースタイルのカウンセリング&スタイリングを受けることで、生き生きとおしゃれを楽しむようになった事例もあります。
気づくのに遅すぎることはありません。おしゃれは一生通じて味わえる楽しみですから。
文/スタイリスト・服装心理カウンセラー 久野梨沙 (株式会社フォースタイル) 
久野 梨沙

執筆者
久野 梨沙(ひさの りさ)

パーソナルスタイリスト / 服装心理カウンセラー。( 社 )日本服装心理 学協会代表理事。服装心理学に基づくスタイリングの第一人者。大学 で認知心理学を研究した後、大手アパレルメーカーでの商品企画職を 経て個人向けスタイリストに。1 万件に上るスタイリング実績を元に、 精度の高いイメージコントロールをすることで定評がある。