リネンシャツとサテンスカートのコーデが微妙…。洋服の素材合わせに迷ったらどうするべき?
こんにちは! パーソナルスタイリスト・公認心理師の久野梨沙(@RisaHisano)です。
異素材同士を合わせて、違和感が出ることってあると思いますが、
これは実は、「外し」と「調和」のバランスの問題なんです。
今日は「素材感が違う服はコーディネートできない」というおしゃれの呪いを、ばっさばっさ解いていきますよ〜
この内容は以下のPodcastでも聞くことができます。
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この記事の内容
「質感/形/色」
洋服の3要素
質問にもありました「リネン」というのは麻素材のこと。触るとシャリシャリしていて、シワがつきやすい素材ですね。
夏服によく使われる素材で、見た目にツヤがないのが特徴です。
一方、サテンというのは織り方の名称なので色の種類によって質感が若干変わるのですが……質問文を読んだ限りでは、シルクやポリエステル糸で織られたサテンのような、かなりツルッとしていて強い光沢のある素材のことを指しているのではないかと思います。
ということはつまり、「ツヤがある・ツヤがない」という、質感としては「対極にある二つの素材を合わせようとした」ということになりますね。
さて、洋服には、今挙げた「ツヤがある・ツヤがない」といったような質感に加えて、「形」「色」の合計3つの要素があります。
そして洋服のコーディネートにおいては、この3つの要素のうち、2つは同じ系統でまとめないとチグハグに見えやすくなります。
ということは逆に言えば、ツヤが全くないリネンとすごくツヤのあるサテンという対極の質感を組み合わせたとしても、それ以外の要素である「形」「色」を同じ種類のものにすれば、コーディネートがチグハグに感じることはないはず。
では、なぜ質問者さんが違和感をおぼえたのでしょうか?
3要素から
アイテム分析をすると
原因がわかる!
ここまでのことがわかっていると、質問者さんが違和感をおぼえたということは、質感だけでなく他の要素も対極のものを組み合わせてしまっていたのでは?という想像がつきます。
今回は色については質問には書いていませんから、形についてちょっと分析してみましょうか。
リネンの襟付きシャツの形を分析してみると…
・直線的な要素が強い
・ビジネスシーンのようなかっちり目ではない
・襟周りは緩めで、リラックス感のあるシルエット
という特徴があることがわかります。
一方、サテンのスカートはというと一般的には
・ドレッシー
・裾広がり
・曲線的
なデザインが多いですよね。
そう。この2つのアイテム、質感だけでなく形の面でも対極なんです。
ですから、単純に「ツヤのない素材とツヤのある素材を組み合わせたからチグハグになった」ということではなく、「質感に加えて形も対極にあったからチグハグになってしまった」というのが正解。
逆に質感が対極だったとしても形の面で調和がとれていたらチグハグには感じなかったはずです。
質感から導き出される
デザイン/形
洋服は、一般的にその素材の質感に合わせて形のデザインをされがちです。
リネンの良さは、さらっとしていること、中性的な魅力とリラックス感があること。だから、スタンダードな襟つきシャツのようなデザインにされることが多いわけです。
一方、サテンというのは光沢感があってテロンとしており、高級感があるので、女性らしい雰囲気。だから、ドレッシーなスカートとして製品にされることが多い。
結果的に「質感が対極にあると必然的にデザインも対極になりがち」だということが言えます。
何も考えずにリネンとサテンのような質感が対極にあるものを選ぶとチグハグになりやすいのはこのためです。
ですから反対に、リネンとサテンを合わせたいとすれば「質感が逆だから、デザインが調和するものを選ぼう」と考えればOK。
例えばリネンはジャケットを選び、同じサテンでもセンタープレスが入ったスッキリめのパンツに変えてみれば……。
あら不思議。
両方とも直線的でカチッとしたアイテムになるので、調和がとれるんですよね。
こうすれば「なんだか変だな、合わないな」という感想にはならずに済むのです。
「質感・デザイン/形・色」この3つのうちの2つで調和をとることを、ぜひ意識してください。
ニュートラルな
質感を挟めば
成功確率アップ!
さらに。
この対極な質感の二つの素材の間に「ニュートラルな質感」のアイテムを挟めば、より組み合わせやすくなります。
ツヤのある素材のすぐ上にツヤのない素材を合わせるから素材の不調和が目立ってしまうわけですから、その間に、ツヤがあるわけでもないし、さらさら・シャリシャリでもないような「ニュートラル」な素材を合わせると、それがクッションになって対比を和らげてくれるということです。
例に挙げたリネンジャケットとサテンのパンツというコーデであれば、その間に普通のカットソーなどを挟んであげれば、対比が緩和されて自然なコーディネートに見えるということです。
もちろん3つの要素のそれぞれを全部同じ要素で組み合わせれば絶対にチグハグにはならないわけなんですが、でも無難すぎるコーデにもなりがち。
その点、3つの要素のうちの1つだけ外しの要素を入れておくと、すべて調和がとれているコーディネートよりも外しの要素により、オシャレ感が出るというメリットがあります。
ですから挑戦する価値は大いにアリ!
「質感・デザイン/形・色」3つのうち、2つを合わせるということを意識して、上級コーデを楽しんでみて下さいね〜🎉
服と人の調和
から見る
イメコン診断の問題点
この外しの要素、実は「服と人」の関係性においても言えることで。
人の外見要素と服の3要素が調和すればするほど「似合う」ということにはなるのですが、その分、意外性がないというか、面白みがない印象にもなりがちなわけです。
服同士の組み合わせの考え方同様、必ずしも服の3要素がその人に合わなくてはいけないということではないため2つの要素のみ似合わせ、1つの要素は外した方がおしゃれな雰囲気が出る、ということもよくあることです。
一方、いわゆる「イメコン診断」って、1つだけだと色・形・質感の全部において似合うものがわかるわけではない、という診断が多いですよね。
ということはつまり、1つの診断を受けるだけでは、完全に似合う服がわからないということにもなりますし、ハズしのテクニックを使えるようにもなりません。
例えば、パーソナルカラー診断は自分に似合う「色」がわかる診断ですが、実際には、色だけいくら似合っていても、質感と形が自分に似合っていなければ、それは「似合う服」にはならないんです。
「自分に似合う服を知る」ということには、「質感・形・色」の3要素すべてにおいて自分に似合うものを知るということが必要になってきます。
そしてその要素を全部知るためには
「顔立ち」の診断=顔周りにおいて似合う形と質感がわかる
「体型」の診断=全身において似合う形と質感がわかる
「パーソナルカラー」=似合う色がわかる
という3つの診断が必要ということに…。
私たちのfor*styleの基本サービスで3つの診断全てを一度に提供しているのは、こういう理由からなんです。
逆に言えば、この3つを受けて頂ければ、他のどんな診断を受けなくても似合う服が完璧にわかるようになります。
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