ファッション雑誌の着まわしコーデ企画はどう参考にすべき?

 

こんにちは! パーソナルスタイリスト・服装心理カウンセラーの久野梨沙(@RisaHisano)です。

今回は、私のpodcast宛にマシュマロから投げていただいたお悩みへのお返事編です。
今回取り上げるお悩みはこちら。

 

昨日、音量についてのメッセージを送らせて頂いた者です。早急な改善、ありがとうございました! めちゃくちゃ聴こえるようになりました!!2倍くらいの音量で、とてもクリアに、ハキハキとした久野先生のお声が届くようになり、感激です。これでまた通勤時に番組を聴けるようになりましたので、年末年始の激務も乗り切れます! 私は先生が以前お話されていた、視覚からの情報処理が苦手なタイプで、ファッション誌を見ても、具体的にどう参考にしたらいいのかが分かりませんでした。 先生が教えて下さる事は、ストンと腑に落ちる事ばかりで、初めて「ファッションの事が分かる」という感覚を味わえています。本当にありがとうございます! 質問なのですが、よく雑誌に「着回しコーデ1ヶ月」のページがあります。あれが私にはコーデ乱れ打ちにしか見えず、どう参考にすればいいのかが分かりません。注目すべきポイントなど、先生の解説をお伺い出来たら嬉しいです。

 

嬉しいお言葉、そして素晴らしい質問をありがとうございます!!

最近は突飛な設定やストーリーが話題になりがちな、ファッション誌の着回しコーデ企画。

 

▲こんなのとか・・・・・・

 

▲こういうのとかですね・・・・・・😅

 

ですが、その本来の活用法を知りたいというご質問ですね。すごく良いテーマを頂いたので、はりきって回答したいと思います!

この内容は以下のPodcastでも2回にわたって解説しています。
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まずは「ファッション雑誌の『着まわしコーデ企画』って何?」という話から

着回しコーデ企画とは、ファッション雑誌で昔からある定番企画のことです。

「限られたアイテムで、どれくらいたくさんのコーディネートを組めるか?」というコンセプトのもと、ある職業の主人公の1〜2週間をストーリー仕立てで追いかけながら、それぞれの日のコーディネートを紹介していく企画です。

 

まず冒頭のページで、着回すアイテムを紹介するページがあります。

取り上げられるアイテムは、だいたい10点前後。ここのアイテムがあまり多すぎると、参考にならないわけですよね。あくまで「少ないアイテムでどれくらいコーディネートが作れるか」を見せたいわけで、10点前後で2週刊くらい着回していると、見応えがある企画になります。

そしてそのあとのページで、着まわしスタート。

月~金曜にはON用のコーデ。例えばこの日は商談があるからきちんとした服装、次の日はデスクワークだけだからオフィスカジュアル・・・・・・といった感じで、その日の予定に合わせた着まわしコーデが紹介されていきます。

最近だと世相を反映して、出社日と在宅ワーク日のコーデをそれぞれ見せたりしていますね。
そして、土日のページではOFF用コーデを紹介。今日はデートだからちょっとおしゃれをがんばって・・・といった具合に。

そんな風にして、その主人公の着こなしを見せていく企画です。

着まわしコーデページを活用するには、そもそも「着まわしとは何か」を知る必要アリ!

ファッション雑誌の着まわしコーデ企画はどう参考にすべき?

 

さて、ここまででファッション雑誌の「着まわしコーデ企画」について、「ああ〜、あれね、そういえば見たことあるかも・・・」とわかっていただけたのではないでしょうか。

こういったページは、確かに、読み物としては楽しめるけど(特に最近はストーリーも凝っていますし)、おしゃれへの活用法はよく分からない…という方が多いかもしれません。

そもそも「着回し」とは、「着て回す」と書くとおり、1つのアイテムを色々なコーディネートに使い回すこと。なので、この企画の目的は、コーディネートの完成度の追求ではなく、

なるべく少ないアイテム数でたくさんのコーディネートを作るスキルを教えること

です。まず、この大前提を押さえておきましょう。

ということはつまり、着まわしコーデ企画に載っているコーディネート1点1点に関しては、同じ雑誌の他のページに比べるとシンプルだったり凝っていなかったりする、ということ。

他のページには、着まわしは考えず、使われている服それぞれが一番活かされるコーディネートが載っています。

そのコーディネート1点入魂でセレクトされたアイテムたちで作られているので、やっぱり完成度が高いんですよね。
ですから、雑誌の他のページと同じ感覚で、着まわしコーデ企画のコーディネート1点1点を楽しもうと思ってもそれは難しい。

洋服を選ぶとき、色々なコーディネートに使うという前提なのか、何か1種類のコーディネートに使えればいいという前提なのかでは、その難易度は大きく変わってきます。
もちろん、前者の方が難易度は大幅に上がります。雑誌の着まわしコーデ企画というのは、そういった難しいことを教えよう、という企画なんです。

なぜ着まわしは難しいのか?

「そんなに着回しって難しいの?」と思う方もいるかもしれませんが、これだけ企画が組まれるということは、それだけ難しいと感じる人がいて知りたいと思う人がいる・・・つまり需要がある証拠です。

それに単純な話、服を買い揃えるにはお金がかかるし、少ない服で色々なコーディネートを組めたほうがお得ですもんね。そういう意味でも、需要がある企画です。

では、なぜ着回しって難しいんでしょう?

例えば、わかりやすくするために、コーディネートは上下1枚ずつで完成させるという前提で、ちょっと考えてみましょう。

トップス・ボトムスそれぞれ4枚持っていれば、4×4=16種類のコーディネートが組める。計算上は、こうなりますよね。

でも、現実はなかなかそうはいきません。なぜなら、ただなんとなく服を買っているだけだと、「水玉模様のトップス×花柄のボトムス」みたいな感じで、往々にして不可能な組み合わせが出てきてしまうから。

・・・・・・まぁ、柄と柄の組みあわせももちろんナシではないのですが、大抵の人は敬遠しますよね。着られるシーンもかなり限られますし。

 

そして、「実質着られないよね」というコーデが1パターン程度ならまだいいのですが、何も計画せずにアイテムを揃えていくと、大抵こういうコーデが2、3パターンは出てきてしまいますね。

トップス・ボトムス各4枚あるのに10コーデくらいしか組めないことなんてザラです。

お客様から「たくさん服を持っているのに、なぜか全然着るものがない・・・!」という悩みを相談されて、ワードローブ診断させていただくとだいたいこのパターン。

だから、トップスとボトムスを4枚ずつ揃えたとき、作れるコーディネートがちゃんと「4×4=16」になるように、着回しコーデ企画があるというわけです。

 

ではどんな方法で、着まわしを実現するのか。着まわしコーデ企画ではどんなことを学べるのでしょうか。

雑誌の着まわしコーデ企画で学べる、2つのファッションスキル

ファッション雑誌の着まわしコーデ企画はどう参考にすべき?

まず1つめは、満遍なく組み合わせを作れるアイテムを揃える方法です。

前述のように、トップスもボトムスも柄物というような状態だとコーディネートができないわけで、それを避けるには、「柄物はトップスだけ」みたいに決めて揃えていく必要があります。

その他にも、上下組み合わせるのにあまりに相性が悪い形とか色なんかもありますから、それを避けて揃えていく方法がわかります。

そしてもう一つが、1つのアイテムをいろいろにアレンジして見せる着こなし方法

着まわしというのは、できるだけ少ないアイテムで様々なコーディネートを作ることですから、同じ1つのアイテムを使っても、アレンジしてコーディネートに変化を付けていくことが欠かせません。
例えば、チノパンの裾を折り返したり伸ばしたり。ブラウスの裾をボトムにINしたり、出したり、などなどなど。

 

要は、着回しコーデ企画では

  • 着回しやすいアイテムを選ぶスキル
  • アイテムをアレンジして、コーディネートの雰囲気を変えるスキル

という、2つのスキルを磨くことができるということ。とりあえずこれを頭に入れていただくだけでも、だいぶそのページの読み方が変わってくるのではないでしょうか。

着まわしコーデページを楽しむ第一歩は「定点観察」

ただ、この企画、楽しむにはちょっと慣れが必要なのも確かなんですよね。

企画の最初の扉ページに10点くらいの使用アイテムの一覧がある、という話は冒頭にしましたが、この10点を記憶しておかないと「ほー、あれをこういう風に着回しましたか!」っていう驚きを味わえないわけです。

どのアイテムをどんな風に組み合わせたのか、がこの企画のキモなわけですから、使用アイテムを記憶していなかったら、確かに単なるコーディネートの羅列にしか見えないんですよね。

とはいえ、10点ものアイテムを脳内保存したまま企画を読み進めるのは、慣れない人には至難の業。

しばらくは扉ページと行ったり来たりしながら読み進めないといけないでしょうし、すんなりと理解できるようになるにも時間がかかると思います。

 

そうそう、少し話が逸れますが、私がアパレル業界に入ったばかりの頃は、先輩方の頭の中にある洋服のビジュアル情報のストック量と、それを引き出すスピードに圧倒されていたものでした。

「OP-1134のワンピースって、KT-0156のニットと合うよね?」

みたいな会話を聞きながら、商品台帳をめくってついていくのに必死だったことを今でも思い出します。

・・・あ、この暗号みたいな英数字の羅列は商品の品番ですね。
でも、そうやって頑張っていたら、半年くらいには何とかついていけるように、そして1年後には完全に何も見ずに同じペースで会話できるようになれたんです。

「特定の物事を覚えて、それを引き出す」って、特訓して脳の中にその回路を作らないと難しいことなんですよね。

野球の選手はすごい速さで飛んでくる小さい球を細いバットで打ち返せますが、あれも日ごろの訓練の賜物。

たくさんの洋服を記憶したまま、脳内で組み合わせて読み進めていくのは簡単ではありません。最初はできなくて当然。

 

そこで、まずは1つのアイテムだけに注目して「定点観察」してみることをオススメします。

つまり、まずは「これ可愛いな」とか「これに似たのを持ってるな」というアイテムを冒頭のアイテム紹介ページの中から1つ選んでみる。

そしてもしできれば、そのアイテムについて「色はベージュで、素材は綿で、裾が少しすぼまっている」などと言語化してみましょう。その上で、そのアイテムだけに注目しながらページをめくってみるんです。

すると、「シャツだと綺麗にまとまるな」「パーカーを合わせるとカジュアルにも着られるんだ」みたいなことが分かってきます。

たまに「1週間で2回しか登場しなかったし、このアイテムもしかして着まわしのしやすさとしては微妙・・・・・・?」という気付きも得られたり。

逆に、「これに似たスカート持ってるけど、こんな風にパーカーとも組み合わせられるんだ!」といったような、新たな発見をすることもできるのではないでしょうか。

 

いきなり全てを理解しようとしなくて大丈夫。まずは焦らず、1つのアイテムに注目して着回しコーデ企画を読んでみてください。

すると、「コーデ乱れ打ち」にしか見えなかった写真の羅列が、途端にあなた自身にとっての意味を持ったものに見えてくるはず。

是非試してみてください。

 

着まわしコーデ企画を改めて読んでみて気づいたことや感じ方の変化があれば、ぜひまた教えてくださいね。ご質問ありがとうございました!

・・・

このご質問を送って下さった方から、回答のPodcastを聞いてご感想お便りいただきました!

 

着回しコーデ企画についての質問を送った者です。丁寧なご回答ありがとうございました!! 目から鱗のご回答に大興奮でした!まず、アイテムの掛け算や、それぞれのアイテムの着こなしバリエーションを見ていく等の視点に、びっくりしました。もちろん企画の全アイテム画像を記憶保持してみるなんていうことはまるでできません!! 私はこれまで企画で出てくるデニムパンツと黒オールインワンの違いすら認識できていなかったのです(笑)薄い色、濃い色程度しかアイテムの差がわからず眺めていただけでしたから・・・。 そこで初めて、先生のアドバイス通り、一つのアイテムを定点観測して雑誌を見てみたら、ものすごい量の情報が詰まっているページなことに気づくことができました! なんともったいないことを長年してきたのか・・・。手持ちの似たアイテムを重ねて、着こなしを考えたり、持っていない使い勝手の良いアイテムの購入を検討したりと、数ページの企画が何度も夜見返せる教科書に代わったのです!!!劇的な変化です! すごいアドバイスをいただけて感激です。本当にありがとうございました。また先生のお陰でオシャレが楽しくなりました

「雑誌が教科書に変わった」っていう表現、いいですね!自分のおしゃれを磨いてくれる情報って、実はいろんなところにあるんですよね。特にファッション雑誌は、有料情報です。SNSで得られる無料の情報に比べて、質が高いのは間違いないわけで、隅から隅まで活用したいですよね。ぜひ、楽しんで下さいね!
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久野 梨沙

執筆者
久野 梨沙(ひさの りさ)

パーソナルスタイリスト / 服装心理カウンセラー。( 社 )日本服装心理 学協会代表理事。服装心理学に基づくスタイリングの第一人者。大学 で認知心理学を研究した後、大手アパレルメーカーでの商品企画職を 経て個人向けスタイリストに。1 万件に上るスタイリング実績を元に、 精度の高いイメージコントロールをすることで定評がある。